先進国が食料自給率を上げたい理由

食料自給率を上げたい先進国の事情

日本は食料自給率40%が目標

現在、日本の食料自給率は30%台で、先進国では非常に低い値です。しかし、イギリス、ドイツといった西欧先進国では食料自給率が大きく改善しています。諸外国が食料自給に拘る理由はなぜでしょうか。

食料自給率を上げる理由

先進諸国が食料自給に拘る理由のひとつに、異常気象による農作物の不作にあります。地球温暖化がもたらす異常気象により干ばつ、豪雨による水害など、異常気象は地球規模で発生し、もはや無視できない状況です。
現在、世界の人口は72億5千万人を超え、慢性的な食料不足に陥っています。このため、食料(原材料)の奪い合いが起り、他国と競争入札で買い負けすれば、原材料の輸入ができず食料費が高騰します。これは、実際に私たちの周りで既に起っています。最近、中国では焼き肉ブームで牛肉の需要が高まり、国内生産では追いつかず輸入肉が増えました。この特需でオーストラリア産など牛肉価格が高騰し、世界の牛肉価格は値上がり、その影響は日本にも及んでいます。低価格で有名な牛丼チェーン店の牛丼が値上げしたのは、中国の焼き肉特需による牛肉の買い占めが原因のひとつだと言われます。
また、世界的な不作ともなれば、自国の食料確保を優先するのは当然のことで、輸出規制をするなと言っても難しいのは当然でしょう。さらに、投機マネーにより市場価格が高騰し、作物が有り余る状態でも手に入らないことも実際に起こっています。
このように食料を他国に頼りすぎると、生産国の不作により輸入が滞ったり、他国と価格競争で原材料の買い負けし、原材料が手に入らず、食品製品など生産が滞り、食料価格は高騰し国内経済はパニックに陥ります。まさに、牛丼と同じように原材料の高騰は、商品価格の値上げになり、国内消費を直撃するのです。このため先進諸国では、食料不足は国内の経済を揺るがすリスクがある。という判断から自給率を上げようと急いでいます。

50年前は食料自給率が高かった日本

50年前の1965年の食料自給率データを比較すると、ドイツ66%、イギリス45%、そして日本は73%と、日本のほうが食料自給率は高い数値でした。しかし、今では我が国の自給率は著しく低下し自給率39%です。一方、ドイツ、イギリスは自給率が改善し、ドイツは92%、イギリス72%と、食料はほぼ自国で賄えるようになりました。このように先進諸外国では、食料の安定確保が経済を安定させるという狙いと、国民の食は国が守るという考えの政策のようです。しかし、残念ながら日本では食料自給率の低迷は問題視されていますが、改善には至っていないようです。

参考:NHK国際報道:牛丼値上げの舞台裏で何が?輸入肉確保をめぐる攻防
出典:農林水産省平成25年度食料自給率等について

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